ナガハマコーヒー

ナガハマコーヒー

コーヒーについて

バリスタについて

エスプレッソとは、極細挽きの粉に9気圧もの高圧の蒸気をかけて短時間で淹れるコーヒーです。

イタリアではそのエスプレッソを飲むところを「BAR」(バール)と呼んでいます。

バリスタ〔BARISTA=伊〕とは、バール〔bar〕で給仕・サービス〔~ista〕をする人のことを言います。

一般には、カフェでエスプレッソを抽出したり、抽出したエスプレッソにミルクを使い絵を描いたり(ラテアートとか、デザインカプチーノとか言います)する人のことを言ったりしています。

全然関係ありませんが、イタリア語では他に「ista」が付く単語として、specialista( スペシャリスト)pianista(ピアニスト)Fantasista(ファンタジスタ)等があります。

その「バリスタ」と呼ばれているエスプレッソ抽出のプロが、お客様の御注文に応じてエスプレッソマシーンでコーヒーを抽出し、提供してくれます。

バールはイタリアでは町のあちらこちらにあり、地域に密着したというか根差したというかイタリア人の生活の一部になっています。

レジでお金を払い、カウンターにレシートを出すとバリスタがエスプレッソを出してくれます。カウンターしかなくそこでお金を出し、エスプレッソをもらい、飲むところもあります。また、立ち飲みが多いのですが、中には店の奥にテーブル席がある店もあります。但し座るとコーヒーの値段は上がります。

今では日本でもイタリア式やシアトル式と言われるカフェがあちらこちらに増えてきています。

カフェでは、デザインカプチーノやラテアートがもてはやされていますが、それらは全部、「エスプレッソ」の液体を用いたアレンジメニューになります。見た目で楽しませるのは勿論必要ですが、その前に美味しくきちんと抽出された「エスプレッソ」が出来るか否かが重要になります。

エスプレッソマシーンを使いこなし、一杯のほんの20~30ccほどのコーヒーにコーヒーの持つ美味しさだけを抽出する、まさにこれがバリスタの腕の見せ所となります。

その他に抽出技術の他に、接客力やカクテルの知識、勿論コーヒー全般の知識も必要とされています。

今のところ、日本でのバリスタは免許も試験もありません。

しかし、そのお店の顔として、お客様に接するプロとして、とても重要な立場にあると思います。

バリスタ選手権

2006年5月19~21日にスイスの首都ベルンにて行なわれる「Warld of Coffee 2006」でのWBC2006(World Barista Championship)で今年度のバリスタ世界チャンピオンが決定します。

*ベルン(Bern)ベルンの市の名前の由来となったのは・・・・「熊」 熊公園・熊のからくり時計塔・噴水やチョコレートに至まで熊をモチーフにしたもので溢れています。ベルンに初の砦を設けたベルトルード5世の最初の獲物が熊だったという逸話から来ているのだそうです。 今も市内には、12世紀の時計塔や大寺院などが残り、「ユネスコ」の世界文化遺産に登録されています。

1月20日の東京予選を皮切りに始まった「ジャパンバリスタ選手権」も、3月15日に行なわれた国際ホテルレストランショーにて今年度日本チャンピオンが決定しました。

年々レベルが向上しているといわれているこの大会には日本各地から141名の選手が参加し、熱戦を繰り広げました。

去年のチャンピオンは決勝戦で破れ、今年は九州の選手が新しいチャンピオンとなり、世界大会に行くことになりました。

この選手権では、どのように甲乙を付けるのでしょうか?

大きく分けて、

1、エスプレッソの評価

2、カプチーノの評価

3、シグネチャービバレッジの評価

4、バリスタとしての評価の4つのポイント(予選会はシグネチャービバレッジはありません)

で評価されます。

各競技者は、エスプレッソ4杯・カプチーノ4杯・シグネチャービバレッジ(エスプレッソをベースとしたノンアルコールのオリジナルドリンク)4杯を15分(予選は10分)以内に提供します。

提供する順番は個人の自由ですが、各ドリンクとも4杯を同時に提供しなければなりません。

規定時間内に提出できなければ減点となり、2分を超過した時点で失格となります。

競技者の「始めます」の合図で時計がスタートし、「終わります」の合図で時計が止まります。

この15分(予選では10分)が競技者は勿論、見ているほうも気になって、ハラハラしてしまいます。

自己紹介~競技者の外観~テクニック~プレゼンテーション~提供と一連の動作や対応など味以外も評価の対象となります。

使用するコーヒー豆・ミル・カップなどは競技者の任意となります。近年は、エスプレッソの液体そのものの味がいかに素晴らしいかというところに重点をおいて競技が行なわれています。

素晴らしいコーヒー豆を適正な技術で焙煎し、そのコーヒーの持っている特性を充分に引き出しているか?そこが重要になります。

そのコーヒーが持っている風味特性を十分に理解していなければ美味しいエスプレッソは出来ないということです。

これはエスプレッソだけではなくコーヒー全体に言えることですね。

 

選手権では下記の項目で審査評価されます。

【感応面での評価】

それぞれのドリンクに対し、甘味・苦味・酸味・香り・後味の印象度など、それらの調和が重視され加点されます。

また、そのドリンクに対しての説明を審査員にすることも求められます。

1.エスプレッソの評価

◎エスプレッソの味覚評価・・・

クレマの色(ヘーゼルナッツ・ダークブラウン・赤みを帯びた反射色)

クレマのキメ細かさと持続性

味のバランス(甘味・酸味・苦味の調和)

口当たり・後味の触感のバランス(フルボディー・まろやか・滑らか)

◎ドリンクの提供

4杯のエスプレッソは同時に提供されたか

適正なエスプレッソカップを使用しているか

付属品・付帯品ともに提供されているか(スプーン・砂糖・水・etc・・・)

2.カプチーノの評価

◎カプチーノの味覚評価

カプチーノとしての外観は適切か(伝統的かラテアート)

フォームのきめ細かさと持続性

カプチーノの温度(熱い・温かすぎる・冷たすぎる)

味覚のバランス(濃厚なミルクの甘さとエスプレッソの調和の取れた味わい)

◎ドリンクの提供

4杯のカプチーノは同時に提供されたか

適正なカプチーノカップを使用しているか

付属品・付帯品ともに提供されているか(スプーン・砂糖・水・etc・・・)

3.シグネチャービバレッジの評価

◎シグネチャービバレッジの味覚評価

作品に対する十分な説明がされ、提供されているか

魅力的な外観(エレガント・クリーン・カップ/グラスの使用方法)

独創性が感じられるか

味覚のバランス(使用した材料とエスプレッソの味)

適正な温度(温かいものか/冷たいものか)

4.バリスタとしての評価

◎顧客サービス・接客技術

プレゼンテーション(プロフェッショナル・尊心・熱意)

細部への心配り/全ての付属品、付帯品は揃ってるか

適切な衣服(外観)

◎ドリンクの評価

カップの温度はドリンクに対して適切であったか

5.総合的な評価

総合的にどうか

時間内に競技を終了できたか

以上、200点満点で評価されます。

【技術面での評価】

バリスタとしてのテクニックやエスプレッソマシーンやミル等の理解度などが審査対象となります。

立ち居振る舞いや服装・髪型・しゃべり口調など色々な角度から審査されます。

1.開始時の作業場の評価

◎競技エリア

開始時に作業場が清潔か

清潔なクロス(ダスター)は用意されているか

2.エスプレッソの評価

◎専門技術(テクニカルスキル)

グループヘッドの水洗い(湯通し)

ドーシング前のフィルターバスヶットは乾燥・清潔か

ドーシング/グライディング時にこぼしたり無駄にしていないか

適正なドーシングとタンピング

ホルダーフィルターが清潔か(挿入前)

手際の良い挿入と抽出

抽出時間(20~30秒)

3.カプチーノの評価

◎専門技術(テクニカルスキル)

グループヘッドの水洗い(湯通し)

ドーシング前のフィルターバスヶットは乾燥・清潔か

ドーシング/グライディング時にこぼしたり無駄にしていないか

適正なドーシングとタンピング

ホルダーフィルターが清潔か(挿入前)

手際の良い挿入と抽出

抽出時間(20~30秒)

視覚的なエスプレッソであること

◎ミルク

清潔なピッチャー

スチーミング前のスムーズノズルの空吹かし

スチーミング後のスムーズノズルは清潔か

スチーミング後のスムーズノズルの空吹かし

ピッチャーは空/清潔か

4.シグネチャービバレッジの評価

◎専門技術(テクニカルスキル)

グループヘッドの水洗い(湯通し)

ドーシング前のフィルターバスヶットは乾燥・清潔か

ドーシング/グライディング時にこぼしたり無駄にしていないか

適正なドーシングとタンピング

ホルダーフィルターが清潔か(挿入前)

手際の良い挿入と抽出

抽出時間(20~30秒)

視覚的なエスプレッソであること

◎ドリンクの提供

4杯のカプチーノは同時に提供されたか

5.技術評価

◎専門技術(テクニカルスキル)

グラインダーの理解度

抽出口は綺麗になっているか/ドーシングチャンバーに置いているか

6.終了時の作業場の評価

◎作業エリア

競技終了時の作業場はきれいか

使用した備品(クロス等)の使い方は清潔か

以上、100点満点で評価されます。

これらの評価項目を理解した上で、スイスで行なわれるWorld Barista Championshipを見に行くと分かりやすく楽しく見学できますね。